「社会起業家『恩』を仲間に」(NHKニュース)を見て感じたこと

簡単にまとめると、

社会起業家に出資しグループ化。

出資を受けた経営者が、新たな社会起業家のプレゼンを受け、全員賛成で出資を決定。

各社は可能額を出資する。

「恩」の連鎖で起業家を増やす取り組みのニュースでした。

 

このニュースを見て、

山口 周氏の「武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50」の「贈与」に関する内容を思い出しました。

以下がその内容です。

※「贈与」と「給付」の体系が人間社会の「岩盤」。貨幣経済が「道徳的に」歪んだものであることを示した上で、貨幣経済から贈与経済への移行を提案するマルセル・モース(1872-1950)の大胆な目論見が現実化しつつある。

自分の能力や感性を会社に対して提供し、会社からその対価として給与をもらう「1対1の関係性」の等価交換の構図で経済活動を行っている。仕事とはそういうものだと疑いを持たずにいる。この構造が普遍性を持つようになったのは100年くらいのこと。資本主義の台頭により株式会社という「富創造プラットフォーム」が形成され、労働力コストを社会的に低めるために「1対1の関係性」が形成され「当たり前」になった。

能力とニーズを紐づける社会的コストが劇的に下がった時代において、「1対1の関係性」は守り抜く価値がなくなってきた。

例えば、自分の能力や感性に希少性を感じてくれる人がいれば、その人たちに値札もつけずに「贈与」し、いくばくかのお礼をもらうことで生きていくことが考えられる。

「この人の音楽を聴き続けたい」というファンが1000人いれば、月に1000円カンパをもらい十分に生きていける。「贈与」と「感謝」の交換に基づく関係性は、健全な充実感、自己効力感を贈与した人に与えることができる。

 

「個の使命」が社会的に成立する「新たな経済システム」の時代が来ていることを実感するニュースです。