顕在化した論理に逃げてしまいがちな人間

人間は、一つ一つの経験を無意識に分析し、こうするとうまくいく、こうするとうまくいかないという本質データの整理整頓を随時繰り返しています。

したがって、すべての人は知らず知らずのうちに現実対応ノウハウを蓄積しているといえます。

優秀な成果を挙げている経営者(例えばファーストリテイリングの柳井社長)は、若い時から、「何のために」「存在意義は」「アイデンティティーは」など本質的な問いを自分に投げかけてきたため、無意識に蓄積された現実対応ノウハウ活用が自然になっているのではないかと感じます。

ところが、多くの人は、誰かに教えられたことを再現するために表層的記憶を思い出すことで一杯一杯となり、重要な自分の無意識データへつながる問いを自分に投げかけません。結果、せっかくの蓄積データを活かす術を手に入れることができないままに時間を過ごすことになります。結果、データを活かすことができず、論理的に正しそうな解に逃げ、揺らぎながら現実に向かうのでしょう。

どちらも論理的に正しいことをやろうとしているので、誰もが持ち合わせている無意識データを使えるか使えないかの違いが現実的成否を決めていると言えるのではないでしょうか。